「ワンルームとファミリー、どっちが得ですか?」
土地活用の相談でいちばんよく聞かれる質問のひとつです。そして、正直に言います。この質問に「どちらが得か」と一般論で答える記事は、ほぼ役に立ちません。
なぜなら、答えは土地の場所によって180度変わるからです。
たとえば同じ愛知県内でも、名古屋市千種区(大学・地下鉄沿線)と豊田市郊外(ファミリー層の持ち家需要が中心)では、賃貸住宅のあり方がまったく異なります。千種区でファミリー向けを建てて空室に悩んでいるオーナーがいる一方、豊田郊外でワンルームを建てて入居がまったくつかないというケースも、実際にあります。
この記事の目的は「どちらが正解か」を教えることではありません。あなたの土地でどちらが正解かを、自分で調べて判断できるようになることをゴールにしています。
まず記事を読んで基本の考え方を理解していただき、最後にあるチェックシートで「自分の土地はどちら向きか」を確認してみてください。
判断に必要な「3つの確認」
ワンルームかファミリータイプかを決めるには、大きく3つのことを確認する必要があります。
- そのエリアに誰が多く住んでいるか(人口・世帯の構成)
- 何が足りていないか(需要と供給のバランス)
- 採算が合うか(家賃相場と建築コストの比較)
順番に見ていきます。
確認① そのエリアに誰が多く住んでいるか
まず確認するのは、土地の周辺に「どんな世帯が多く住んでいるか」です。
総務省が運営する「e-Stat(政府統計の総合窓口)」というサイトでは、町丁目単位の人口・世帯構成データを無料で確認できます。難しく聞こえますが、使い方はシンプルです。サイトで市区町村名を入力すると、「一人暮らし世帯の割合」「2人以上世帯の割合」などが一覧で出てきます。
読み方の目安は以下のとおりです。
- 単独世帯(一人暮らし)の割合が高い → ワンルーム・1K需要が高い傾向
- 2人以上の世帯が多い → ファミリータイプや2LDK需要が高い傾向
愛知県内の傾向を大まかに示すと、次のようになります。
| エリア | 単独世帯率の傾向 | 向いているタイプ |
|---|---|---|
| 名古屋市中区・千種区・昭和区 | 高い(40〜50%超) | ワンルーム・1K |
| 名古屋市緑区・天白区・守山区 | 中程度 | 1LDK〜2LDK混在 |
| 豊田市・岡崎市・安城市郊外 | 低め(持ち家率が高い) | 戸建て賃貸・2LDK以上 |
| 豊橋市・豊川市 | 中程度(転勤需要あり) | 1LDK〜2LDK |
ただしこれはあくまで傾向です。同じ区内でも、駅から徒歩15分以上離れると需要の性格が変わります。できれば町丁目(○○町△丁目)の単位で確認することをお勧めします。
確認② 何が足りていないかを調べる
人口構成を確認したら、次は「そのタイプの賃貸住宅が供給過多になっていないか」を確認します。需要があっても、すでに競合物件が多すぎる場合は空室リスクが高くなります。
もっとも手軽な方法は、SUUMO(スーモ)やHOME’S(ホームズ)で実際に検索してみることです。
自分の土地の最寄り駅・徒歩圏で「ワンルーム 賃貸」と検索し、何件ヒットするかを確認します。件数が多すぎる場合は競合過多のサインです。また、築浅の物件に「即入居可」「フリーレント(最初の数ヶ月家賃無料)」などの表示が目立つ場合は、そのエリアで空室が増えているサインと見ることができます。
検索結果の件数の目安として、最寄り駅から徒歩10分圏内での参考値を示します。
- ワンルーム・1K:50件未満であれば需給バランスはまずまず
- ワンルーム・1K:100件超かつフリーレントが多い場合は要注意
- ファミリータイプ(2LDK以上):20件未満であれば不足気味で狙い目
これはあくまで目安です。地域や時期によって変動しますので、複数回確認することをお勧めします。
確認③ 採算が合うかを数字で見る
需要と供給のバランスを確認したら、最後は「実際に建てたときに採算が合うか」です。
ここで多くの方が見落とすのが、「表面利回りの高さ」と「リスクの大きさ」は比例するという点です。
ワンルーム・1Kタイプの特徴
- 1戸あたりの家賃は低いが、戸数を多く取れるため総収入は増えやすい
- 表面利回りは高く出やすい(愛知県内の賃貸住宅で概ね6〜8%程度)
- 入居者の入れ替わりが多く、原状回復・募集にかかるコストが積み重なる
- 戸数が多い分、1戸空室になっても全体への影響は比較的小さい
ファミリータイプ(2LDK以上)の特徴
- 1戸あたりの家賃が高く、安定した家賃収入が見込める
- 表面利回りはやや低め(愛知県内で概ね5〜6%程度)
- 入居期間が長く(平均5〜8年)、退去・募集のコストが少ない
- 戸数が少ない分、1戸空室になったときの収入への影響が大きい
つまり、どちらが「得か」という問いの前に、「安定重視か・収益最大化重視か」という自分の運用方針を決めることが先です。相続した土地をはじめて活用される方の場合、まずは長期安定型のファミリータイプや戸建て賃貸から検討されるケースが多いです。
あなたの土地はどちら向き? 診断チェックシート
ここまでの内容を踏まえて、あなたの土地がワンルーム向きかファミリー向きかを簡単に確認できるチェックシートを用意しました。下のボタンから順番に答えてください。
ただし、周辺の競合物件の動向は定期的に確認してください。設備や間取りの差別化が入居率を左右します。
当事務所では、この条件をもとにした無料の簡易計画書(収益シミュレーション付き)を作成できます。お気軽にご相談ください。
戸建て賃貸は建築費を抑えやすく、相続した土地の初めての活用としても取り組みやすい選択肢です。
当事務所では、この条件をもとにした無料の簡易計画書(収益シミュレーション付き)を作成できます。お気軽にご相談ください。
また、1階に駐車場付きのファミリータイプ、2階以上にワンルームを配置する「混在型」も選択肢のひとつです。
条件が拮抗しているケースは、敷地の形状や周辺環境によって判断が変わります。無料の簡易計画書で複数のプランを比較することをお勧めします。
まとめ
- ワンルームかファミリーかは「エリアによって答えが変わる」。一般論での比較は参考にならない
- 判断のために確認すべきは「誰が住んでいるか(e-Stat)」「何が不足しているか(SUUMO)」「採算が合うか」の3点
- ワンルームは収益最大化向き、ファミリーは長期安定向き。自分の運用方針で選ぶ
- 相続した土地の初めての活用には、管理しやすいファミリータイプや戸建て賃貸が向いているケースが多い
- 診断結果をもとに、無料簡易計画書の作成依頼ができる(愛知県全域・全国対応)

