共有名義の土地活用で失敗しない！兄弟で揉めない解決策と活用方法

相続で土地を兄弟姉妹と共有名義になったとき、「どう活用すればいいのか」「揉めずに進められるだろうか」と不安に思う方は多いです。

共有名義の土地は、活用方法を誤るとトラブルに発展しやすいのが実情です。

そこで今回は、共有名義の土地を上手に活用する方法と、兄弟で揉めないための具体的な解決策を整理しました。

共有名義の土地を活用する前に知っておきたい基本

共有名義とは、ひとつの不動産を複数人で所有している状態をいいます。相続で親の土地を兄弟姉妹が等分に相続した場合によく発生します。

たとえば3人兄弟で相続した場合、それぞれが「3分の1」の持分を所有していることになります。

共有名義の土地は、売却や活用をする際に全員の合意が必要です。ひとりでも反対すると話が進まないため、「売りたい人」と「残したい人」が対立しやすいのです。

また、税金や維持費の負担割合を巡って揉めるケースも少なくありません。

空き地や古家が建っている土地であれば、アパート経営や駐車場運営などに活用できます。安定収益を得られる一方、初期投資や管理の負担を誰が担うかを明確にしておく必要があります。

もっともシンプルなのは土地を売却し、その代金を持分に応じて分ける方法です。売却益をすぐに現金化でき、後々の管理や固定資産税の負担から解放されるのがメリットです。

マンションデベロッパーや土地活用業者と提携して「等価交換」を行う方法もあります。土地を提供する代わりに、新しく建てた建物の一部を所有できる仕組みです。

初期投資を抑えつつ活用できる反面、契約内容を十分に理解しておくことが大切です。

土地を分筆して、一部だけを売却・賃貸に出す方法もあります。兄弟それぞれの希望を反映しやすい半面、分筆にかかる測量費や登記費用が発生する点に注意が必要です。

「知らないうちに話が進んでいた」とならないよう、兄弟全員で集まり、活用方法について話し合うことが重要です。書面に残しておくと後々のトラブル防止につながります。

誰が固定資産税を支払うのか、賃貸経営なら管理会社との契約者は誰にするのかを事前に決めておきましょう。「お金のこと」「契約のこと」が曖昧だと必ず不満が出てきます。

共有名義の土地活用は法律・税金・不動産の知識が絡み合うため、自己判断では限界があります。不動産会社に査定を依頼したり、弁護士に契約リスクを確認したり、税理士に相続税・譲渡税を相談することをおすすめします。

兄弟のうち1人が他の持分を買い取り、単独所有にする方法です。単独名義にすれば自由に活用でき、意思決定もスムーズになります。

合意ができない場合、裁判所に「共有物分割請求」を行うことも可能です。ただし裁判所が競売を命じるケースが多く、市場価格より安く売られてしまうリスクがあります。できるだけ話し合いでの解決を目指すのが望ましいです。

共有状態を続けると、代替わりするたびに権利関係が複雑になっていきます。早めに解消して単独名義にすることで、将来のトラブルを防ぎ、自由な活用が可能になります。

共有名義の土地をめぐるトラブルは珍しくありません。しかし、正しい知識と準備を持って取り組めば、兄弟で揉めることなく土地を有効活用することが可能です。